カビの飛散量の日内変動

カビの飛散量はご存知の通り年間で大きく変動して、梅雨の時期から秋の終わりまでの間が特に菌量が多く、データによると梅雨の時期などは今の1月あたりの菌量の7倍近い菌量であることも!

カビが繁殖しやすい季節があるというのは、なんとなくお分かりいただけると思いますが、

実は、カビの飛散量が多い時間帯、というのがあるのをご存知でしょうか?

夜に起こる喘息などの症状にカビが関係していないかと思って研究論文を探してみたら・・・

ありました!

2014年の室内環境(Indoor Environment, Vol.17 No.1,pp.11-17, 2014)に

「一般住宅における室内浮遊真菌の日内変動調査」川上裕司、橋本一浩著

本調査では、2軒の一般住宅を対象に2時間おきに2日間計測しているのですが、

結果で興味深かったのは、

・フローリングの洋室と畳の和室という床の形態によって浮遊菌量に大きな違いがみられること(今回の調査では、畳の部屋の方が5~8倍の菌量を示していました)

・早朝4時から8時にカビの浮遊真菌濃度が高くなる傾向が認められること

・早朝はアスペルギルス属の菌量が多くなる傾向が顕著であること

・深夜から早朝にかけて温度が低下する時間帯に相対湿度があがり、その相対湿度の微小な上昇と室内の菌量が多くなることに関係がある可能性があること

・アトピー型喘息が深夜から早朝の終身時間帯に多い発作機序として「気温の低下(環境要因)+気管支の収縮(人側の要因)+室内浮遊真菌(カビ)の増加(アレルゲン要因)=喘息発作」

になっている可能性があること

 

追加調査の必要性について著者の先生方は言及されておられましたが、この可能性が分かっただけでもとても勉強になりました。

 

日々、いろいろなお宅で検査をしていると、本当に住環境の管理、荷物量、生活スタイルなどで、カビの種類や量が全然違うことを目にします。

完全になくすことは難しいですが、こうして、いろいろなデータがあると、少しでもアレルギー症状や喘息などの発作を起こさない対策を考えることができますので、

これからも社内データの蓄積、研究データの収集など、引き続き行い、

皆様のカビのお困りごとの改善のお役にたてるよう頑張ってまいります!